2005年8月5日

今日大阪の知り合いの方と電話でお話したら、梅田は36度と聞きました。ドイツは、20度前後で曇りがちの、全く夏らしからぬ天気で、ドイツ人たちはぶつぶつ文句ばかり言っています。毎日雨が降るので、ベランダの植物に水をやらずに済むのは助かりますが。

朝5時半に起きて、原稿を書く日が続いておりますが、昼間は会社へ行かねばならないので、なかなか仕事がはかどりません。生活の糧をかせぐのも、大変でございます。

最近、私がよく読んでいる私小説家、車谷長吉氏が、50歳ごろから強迫神経症であることを、日経の文芸欄で告白されておりました。車谷氏の古いが刃を持った文体の裏には、そうした苦悩があったことを理解しました。氏が随筆の中で触れられている、芥川龍之介の「歯車」も私が芥川の作品の中で最も好きな作品ですが、これは強迫神経症そのものを、主題にした作品で、へたな怪奇小説よりもずっと怖い作品です。

車谷氏には、病気に負けずに、名誉毀損に関するトラブルなど気にせずに、鬼気迫るような私小説をどんどん書いて頂きたいものです。